人気ブログランキング | 話題のタグを見る

PDX(19)

2017年6月2日(金)

頭を打った。頭部外傷という傷病名だ。CTを撮ったので2,400ドルかかった。おまけに保険会社に請求するための金額領収書をもらいそこねた。CTの結果がでて問題がなく、それはよかった。しかし疼痛は続いていて不安はあるし気分は良くない。明日目が覚めればラッキーだ。急な憎悪なんかあったらたまったもんじゃない。一人旅だから何が一体私に起こったかなんて誰一人知らない。緊急連絡先は書いたか。


まだ明るいのでワシントン公園のバラ園にでも行ってみようと二つ目の小洒落たホテルのチェックインを済ませ軽いスナックを昼飯の代わりに食べたあと思い着いた。ポートランドの西部のこいなかからまた77番バスにのり、とある駅を大荷物で降りると、そこは1週間前にムスリム少女へのヘイトテロがあった場所で殺人事件憂う人だかりがあった。ホームに降りるエレベーターが故障していて親切人が私を助けてくれた。そのまえにも車椅子の人を熱心に助ける人々の姿も見た。西海岸だ、街の道々に精神的に病んだ感じのひとも多い。行きのバスでは飾り帽子の爺さんがバスを降りがてら大声で怒鳴り散らして、女の客は目頭を押さえていた。園内のシャトルバスのドライバーは巨漢で運転席から肉がはみ出していて食べ物の入ったクーラーボックスからバナナを取り出して全身の細胞に栄養を与えながら運転していた。バラ園はバラ園だった。どちらかというとビジターセンターを訪ねたかったがついたのは午後5時半すぎで閉まっていた。20号に降ろうと子連れの人々に道を聞き、階段を先に降りた矢先、最後の2、3段ですべった。


杖を二本持っていたのでいきなり体制が傾き左側のレンガの塀に左後頭部を強打した。カーンという高い音が頭の中で響き少しのあいだうずくまった。親子連れが通り過ぎた。すぐにコブが出来、痛みがはじまった。マンションのビルの1階が駐車場になっていて2、3人がいた。私が病院の場所を聞くと、その家族はちょうど食事に行くところなのに送ってくれた。アージェント部の診察を受けた。頭のなかに血が漏れている感じ、と私が訴えると、そうか、そんなにもか、と受入先がアージェントからイマジェンシーに変わったそれは主に待ち時間で構成されていて、ごくたまに看護師の質問、ここはどこかわかるか、大統領の名や今日が何月何日か、バイタル、アイスパット、保温されたタオル、CTの検査や医師の問診やこぼれたアイスパットが靴下を濡らしたのをとりかえたりもしたし、トイレも何度も行ったし、タクシーも何十分も待った。医師の問診と会計には電話機の受話器を使った通訳がついた。すべてが、4時間以上かかって終わった。


痛みは相変わらずだったが、タクシーに乗るとホッとした。ドライバーはフレンドリーで腹が減ってると言うとマックのドライブスルーに連れていってくれてフィッシュバーガーとフレンチフライとコークが5ドル99セントで手に入った。チップをはずんで15ドル払いホテルに着いた。午後11時を回っていた。この国は私をあまり歓迎していない感じがする。

by necojill | 2017-06-04 23:55 | | Comments(0)