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レイコック(4)

2017年3月15日(水)

イギリスに来て3日目、ずっと迷子になりきっている。昨日は歩道のない交通の激しい狭隘道路で「自分の向かっている方角が真逆な感じがする」という苦しいジレンマ。一昨日はメガネを忘れた状態で真っ暗な場所でたたずんで、いくらも距離のない、さっきチェクインした宿に戻れなくなっていた。しかし今日にかぎっては絶望と不安は同行していない。代わりに時間と泥、がいた。レイコックという投宿町からバスで10分のやはり歴史保存てきな観光地で、二回目のパブリックフットパスをやろうとした。素晴らしい家々、乗馬施設、手の行き届いた牧草地や美しい小川など景色的にも昨日のより楽しめた。しかしそれは1時間半ほどまでで、残念ながら引き返した。引き返すまでにサインが無くなった泥の丘を2方向トライしてみたが、正しいルートでないと判断した。今日の午後を使ってストラドフォードアポンエイボンまで行かなければならず、電車はひとつの接続しかない。泥遊びをしている場合でない。もどりながらクリーク沿いのベンチで軽装の人々に出会った。同じコースを楽しんでいるようだ。思わず「このコース前にも行ったことはあるんですか?」と聞くと「ええ、そうよ」と軽く流された。バスまでのみじかい時間で靴とズボンの裾の泥をあまりキレイとはいえない溝の水で洗った。チットナムのバス乗り場の隣りの店でフィッシュアンドチップスの小とミルクティーを頼んで昼にした。4、5軒あるリサイクル店を覗いてスパンコールの一面に着いたパンツを5ポンドで買った。


列車の切符を買った。普通乗車料金だけで片道6千円もする。車掌の人件費かもしれないとおもった。3回乗り換えがあり、缶入りの軽い酒を各30分くらいの乗車時間でそれぞれ飲んでいると眠くなった。最後の接続には1時間の待ち時間があり、ホームでぼんやり陽にあたっていた。ストラドフォードアポンエイボン行きが来て、百均というか1ポンド均一店で買ったまあまあのコンビーフ、美味しくないチーズとナッツと冷えた昼の芋の残りをワインとリンゴジュースでお腹に詰め夕食の代わりにした。終点で降り、暗い駅前でGPSを持っている通行人にホテルの道順をもらった。ホテルのランクが次第にアップしているのに気付いた。4つ星のプチホテルで非の打ち所がないインテリアはおそらくパートナーのダイアンの趣味だろう。セントラルヒーティングが効いているのでまた洗濯をした。ジーンズまで洗った。次にしたことは、何も口にせず、たんにキングサイズのベッドにひとりでなだれ込むことだった。



by necojill | 2017-03-16 13:18 | Comments(0)