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犬の容態(13) 死

2013年6月5日(水)

昨晩下痢をした。よくあさは絶食。昼に比較的沢山食べたというか食べさせた、小気味よく。しかし午後になると鳴き出した。たえまなく鳴くので獣医に連れて行くと「もしかしたら脳の障害ですからイチカバチカですが」とステロイドを静脈注射した。しかし鳴きやまない状態のなか客人が二人みえた。驚かれて「私たち今日は失礼したほうか、、、」と2回おっしゃり私が打ち消した。さらに犬が苦しみ鳴くので1時間たらずで帰られた。本当に私の落ち度でお客様にイヤな経験をさせてしまった。私は二階で犬の看護に専念したきりだったから。下痢をして水を飲まず尿もまったく出ない。「原因は脳」という判断からは遠い感じがあった。道路と寝室を往復し、背中と腹をさすり汚物を処理した。(オムツに馴染まないので、排尿排便を促すための)立った姿勢からくずれ倒れる。だから大体の時間、私は抱きかかえていた。唸りをあげため息をし、じょーっと嘔吐もした。その時、一瞬脱力した。ふうーっと身体全体が風船状態になったのだ。舌がだらりと口から垂れ下がった。死んだのか。早いよ。横たえてスプレー酸素を吸わせると蘇生した感じがした。人工呼吸と心臓マッサージをしていた。肋骨が揺れ、私の唇や舌に犬の舌が触っていた。それはまるで大きなウニの肉片のようだ。どうしてムダな蘇生などしていたのだろう。もう一人の家族があと1時間半しないと戻って来ない、という理由だったのかも知れない。呼んでも呼んでも返事がないことは自明だが、生の兆候で応えてほしかった。もう一度だらりとした瞬間を感じた。首が後傾した時だった。抱いていた時だったので、私はそのまま強く犬を抱き締めた。私と犬が真空状態で密着したまま、必要に応じて部屋部屋をめぐった。残りの30分はソファーにいた。ぜんぶで1時間そうしていた。息子が帰宅したので話をした。リビングはそのまま通夜のようになった。客用の料理を息子が食べてくれた。
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いつものように犬と同じベッドで寝た。
by necojill | 2013-06-06 20:49 | 書き残し | Comments(0)