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台北旅行(15)

8月30日(火)

その時、初めてそこに私以外の日本人がいることが分かった。某市教育委員会の非常勤相談員でスピーチセラピストをされている若い女性で、とても感じがいい方だった。スピーチセラピーという呼称も耳慣れないし、大変私の興味のある分野だったので私たち二人は日本語の世界に入って行った。私の理解の範囲では、吃音の障害を中心に治療をされていらっしゃる、という意味で、対象は初等教育の児童生徒。普通教育の中で問題を解決されるという。主な病名は自閉症、アスペルガーなどの生得的な発達障害、LDなど。なぜ、脳の発達障害に吃音障害が起こるか、という素人っぽい、しかし今まで不思議だった質問をした。すると、脳に酸素供給が十分行われないなどの影響の結果、また大脳の萎縮にも関係があるらしい。説明も穏やかで聡明な中に温かみがあった。彼女のようなすばらしい方が日本に働いていることに感銘した。私も自分が老人ホームで時々ボランティアをしている話をしたのだ。



そういえば、私は何度か行く台北の公園でも必ず目が行くのが、車椅子の老人とそのヘルパーのような若い女性たち、あるいは老老介護のような仲の良いご夫婦の姿だ。認知を患っておられる表情のお父さんの手を引く年老いたお母さん、あらゆるゆっくりした歩行の人々、車椅子の人々に私は心が引かれて何度も立ち止まったり「お元気で」という言葉を心の中で1度だけつぶやく。
(つづく)
by necojill | 2011-08-31 11:53 | | Comments(0)