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「よかった、生きてた」

7月8日(木)

「よかった、生きてた」と私は言った。
家から35分チャリを飛ばして友人さんのアパートに着いたとき、痩せこけた男の頬が見えた。
暗い部屋。たったひとつの電球たぶん20W。散乱したゴミの中に座っていた。
よかった、生きてたから、だからすぐに私はキスをしその後でハグもした。
シャツのベトベトも顔も腕も問題ない。
髪も髭も伸びている。顔全体の浮腫が取れ鼻筋が際立っていた。
「ハンサムになったね」
「病気さ」


でもよかった、生きててくれた。4日間、電話が2種類とも通じなかった。腐っていたらどうしようと思ったが、その時はその時だ。
「この2週間なにも食べていない」2週間前と同じシャツを着ていた。シャツの下は細い裸の下半身と椅子があるだけだった。


「髪切ったの?」
「うん」へえ私を見てくれた。


一口飲んで咽せるように吐いた。水を汲んで渡した。
「何もしていない。医者も行ってない。酒を飲んでいるだけだ」わかってる。


シャツの新しいのを出してあげると「シャワー浴びる」と言った。
シャワーを浴びて帰ってくると暫くゼイゼイと苦しんでいた。
もしかして私の為にシャワーを浴びてくれたのかも知れないと思った。


そんな事別にいいのに。
好きなようにしていればいい。
「私はすることある?」
「ない」
「あの、祈るとか」
「、、いや」


半時間ほどで夜の町をまた走った。ついでにちょっと道を迷ってしまった。
好きなようにしていればいい、と思う。
その人の生き方なので。
けれど私はたぶん、、、祈るのだと思う。
それは私のやり方なので。
by necojill | 2010-07-08 23:58 | 書き残し | Comments(0)