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ひとり12ステップ(2)私を産んでくれた母親

1月28日(木)

12ステップの4(恨みの棚卸表)
〈恨んでた相手〉私を産んでくれた母親

〈その理由〉「あんたたちなんか本当に産まなければよかった」という言葉が時々あった。

〈傷つけられたもの〉「自尊心」の傷つきがあった。原理的な部分で自分の存在を残念だと感じた。しかし、その嘆きは、いつも姉と二人を総じて言われるので、その点は深刻さが半分で済んだ。

〈自分はどこで誤ったか〉「恐れ」があった。母親は私たちを本当に嫌だと感じている事はその都度わかっていた。様々な衝突があったからだ。ただ、自分たちが幼くて可愛かった頃に遡って、存在を否定されていることは一種の恐ろしさを感じた。似たような語り方で「こんな犬、保健所に連れて行って処分しちゃいたいわ」と自分の飼い犬に言う事も何度もあった。世話が焼けて自由が奪われるという理由だった。とても自己中心的で理解出来ない、私と息子はその時そう思った。「おバアちゃんヒドい事いうね」と。

子どもはどうしても母親には理想的でかつ完璧な姿を求めてしまうようだ。例外無く生身の存在でしかない他人に。彼女がこの世を去った後に、当然の事のようにすべてが変化した。考えてみると、ごく最近になってやっと気付いた事だ。まったく推測も出来ないことだが、たぶんその時母親自身がどんなにか孤独で無力感に打ちひしがれていたのだろうと思う。

母と父との交換ノートを私が手にしたのは6、7年程前であった。セピアに変色しすっかり酸化した膨大な手紙類も。そこには深い感情が読み取れたので、現在の私はこの二人の愛で生を受けた事を幸福に感じ、感謝している。

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今日も実はその整理の仕事に何時間も費やした。永い事、和室で腰をかがめていた。
犬はゆっくり横になり、古いTVからドラマの音声が流れていたが誰ひとりそれを聞いていない。
by necojill | 2010-01-28 23:31 | 12ステップ | Comments(0)