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3日ぶりの公衆電話

9月2日(水)続

「いま××のAAから帰って来たところ」電話の主が言った。夜の9時半を回っていた。「、、そう、疲れてない?」私が続けた。「いや」ひとトーン大きめの返事をした。きっと背筋を伸ばした姿勢をしている。「で、AAで何を喋ったの?」「いやいまのところ、人の話をずうっと聞いているだけ。ただ聞いてるだけにしたんだ。1、2ヶ月はそうするよ」「そう」

公衆電話が病院にあってよかった。そういえば、入院中に切手を貼った外国のポストカードを4、5枚渡してあるけれど、それについては、、、「来ないね」「うん、だって出してないもん」という案配だった。でも自宅のポストを開ける度にそれを探してしまう。殆ど来るはずはないのに。

「今日、革細工やって、あんたにあげるブックカバーが完成したよ」「本当、ありがとう」「でも、その前に作った眼鏡ケースはぜんぜん失敗しっちゃったけどね]
たぶん、あの苦笑をしたのだ。そうに違いない。

「今日はここまでね」「じゃね」
私はもう少し起きていよう。ソファに座っている姿勢は比較的ラクチンなのだ。ベッドに横になると、どうもよろしくない。骨と肉の質量バランスが患部に悪さをする。明朝はバスと路面電車を乗り継いで、病院の家族会と見舞いに行く予定だ。
自分のケガによって気分を暗くする必要などない。幸運なことに時間と小銭を使い、少しばかりの快活さを手に入れることが出来る。
by necojill | 2009-09-02 22:23 | 書き残し | Comments(0)