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新幹線のデッキで話した

6月29日(月)

仕事を辞めてから、月曜は私の好きな曜日になった。週末の小旅行の3日目だったり、東京にいる時も、トレーニング・ジムが休みなので、1日がゆったりとした午前から始まる。以前がどうだったか、つまり多くの人々にとってイヤな曜日であることは知っている。十二分にそれを経験しているので、こう書くことも許していただきたい。とにかく、またその月曜がやって来た。

朝を夜行バスの中で迎えた。羽生インターで。そこまでは、青森の能代という駅から出発した。午後7時、そのシャッター街で1時間をつぶすために、駅員に色々聞いた。「砂防林まで行けますか?」「たぶん、絶対無理でしよう」その後、1軒だけ明かりの付いている店を見つけた。近づくと薬屋だった。薬類の篭った強い臭いがした。主がいない。数秒後、白衣を着た老人の後姿があった。わざわざ通りに出て、近くにいるはずの客の姿を探している。挨拶し、道を教えてもらった。開いている店がまた1軒あり、そこで30分だけひとりでカラオケをした。

土曜日、北秋田県阿仁地区の文化センターには150人ほどの人々がいた。知り合いを見つけ、沢山の初めての人々を眺めた。『ブナ林と狩人の会「マタギサミットin阿仁」』というイベントだった。新たに知り合いになった人もいた。出会った印象が強かったのは二人だった。ひとりは弘前に住むフリーのツアーコンダクターの女。二人目はアイオワ大学の準教授の男。「また会いましょう」と言って、それぞれ別れた。

このイベントの趣旨は以下のとおりだ(主催者テキストのコピー&ペースト)。
<<東北芸術工科大学田口氏の研究活動がきっかけとなって、日本に点在する「マタギ」と呼ばれる伝統狩猟者が一堂に会し交流を始めて本年で20年目となり、毎年各地域での持ち回りで開催されてきた「マタギサミット」が今年は阿仁での開催となりました。
 この間、狩猟者の高齢化、狩猟人口の減少、中山間地域の衰退、農作物被害、人身被害、クマの異常出没、大量捕殺と狩猟自粛等、狩猟環境・住環境は大きく変化してきており、毎年開催されるマタギサミットにおいても、狩猟の役割、中山間地域の生き残りや野生動物の保護管理のあり方等について議論されてきた。以上のことから、「狩猟と駆除」をテーマに、国内外の狩猟環境とその課題、伝統狩猟の位置付けなどについて議論を深めたいと思います。>>

私が、そこに参加した理由は、知り合いの猟師さんたちへのお礼の挨拶だった。学生として研究していた1年半前に、聞き取り調査に快く協力して下さったことに対して。が、気持を伝えることに成功したとは思えない。それは換言すると、することが途中だ、という意味かも知れない。

犬と自分のシャワーを終え、コーヒーとパンケーキだけの遅い朝ご飯を『奥様は魔女』を観ながら取ると、月曜はもう半分どこかへ行ってしまった。残りは、まだちょっとだけあるのだが。
by necojill | 2009-06-29 12:57 | イベント | Comments(0)