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生命系の一要素

4月17日(金)

スケジュールがぽっかり空いた。いつも大事にしたいと思う「今日一日」がもう始まっている。最初に『Jのガーデンレストラン』が開店した。

トーストと茹で卵、オレンジジュースにコーヒー、朝漬け少々。サンダルに裸足を滑り入れ石段を降り、プラ盆に載った品々をそのまま白い鉄製のテーブルに置く。
この細長い庭では持ち主が逝ってしまってから遷移が展開している。新しい所有者である私は繁茂して来る種々を同定できないでいる。植物の繁殖戦略。圧倒的なまでの緑色絵具。その中に椿が勢いよく小路に散りばめられている。重く紅い。シャガもここの生態系では優占種。ジュースを一口飲む。

現代生物学で生命系を学ぶ行為はあるひとつの到達点に至る。「個体」を系のひとつの要素と見れば、「全体」は地球上に生きるすべての生物となる(岩槻邦夫監修『グリーンセイバー・マスター』より引用)。この不可分の関係性、相互依存性を宗教人間学にあてはめると「菩薩戒」というキーワードが心に浮かぶ。
「自分があらゆるものによって支えられあらゆるものと共に生きている」他との関係においてのみ存在することを許されている。このリアリティを理解するヒトという特別な種は、「他者に対して役に立とうとし、他に対して害を与えないように努める」ようになる(以上、曹洞禅ジャーナル『法眼』13号より部分引用)。

「その人のためにしてあげたい」
「それはとても自然なことです」一昨日の夕刻、私の新しいカウンセラーが頷いた。

以前その事に懐疑的な言い方をしていた二人のワーカーも、昨日はどこか優しかった。アルコール病棟の家族会は私に近付いてみたり離れたりしている。
by necojill | 2009-04-17 10:21 | 書き残し | Comments(0)